弥治郎こけし|木地玩具の里しろいし
こけし・木地玩具を育んだ白石
白石市は市域の約7割を山林が占め、長い歴史を誇る温泉地もあることから、子どもの遊び道具、土産物として江戸時代末期よりこけしが生産されてきました。このこけしは産する集落の名を冠し「弥治郎こけし」と呼ばれ、伝統こけしの系統のひとつに数えられています。また、白石市では戦後、新型こけしが発祥し急発展しました。
こうした経過を受け、その更なる振興を図るべく昭和34年、上皇さま・上皇后さまのご成婚を記念し、第1回全日本こけしコンクールが催されました。その後も全日本こけしコンクールは時代の変遷を乗り越え、伝統こけしと新型こけしをはじめとした作品が一堂に会する日本最大級のこけしの祭典として、平成30年には第60回を迎えました。
また、こけしの里である弥治郎地区に立地し、平成6年に完成した弥治郎こけし村は、平成30年にリノベーションを終え、こけしの収蔵展示や普及啓発、技能伝承の拠点として新たな展開をしています。
弥治郎こけしの特徴
弥治郎こけしは宮城伝統こけしの1系統です。頭が大きく、頭頂には豊かな色彩で二重三重のロクロ模様を描くことに特徴があります。胴模様にも幅広いロクロ模様を入れたり、花とロクロ模様を組み合わせたものなどがあります。
構造はさし込み式とはめ込み式の二種類ありますが、ペッケと呼ばれる小寸物は作りつけであり、胴の中ほどがくびれているものが多くあります。
伝統こけし
伝統こけしは「系統的な伝統性があり、師弟関係が明確であるもの。且つ、その工人が制作した本人型も含む。」と定義されています。系統は諸説ありますが、白石市では10系統に分類しています。弥治郎こけしもそのうちの1系統です。
新型こけし
新型こけしは「量産可能で市場性のあるもの」と定義されています。分業による生産で量産が可能なほか、自由な発想で形態を工夫したり、数本を組にした作品があるなどの特徴があります。
創作こけし
創作こけしは「一品製作で芸術的価値のあるもの」と定義されています。「こけし」であるため、ロクロまたは旋盤を使用するという制約はありますが、その制約を一品作品として独創的に表現する点に特徴があります。
木地玩具・応用木製品
木地玩具は「ロクロ技術を主体とした玩具」と定義されています。独楽やえじこ、雛こけしなど子どもの遊び道具から可動部の多い複雑な機構をもつ大人の鑑賞に堪えるものまで、多くの種類があります。 一方、応用木製品は「ロクロ技術を主体とした日常生活用品や木製品」と定義され、盆、椀、鉢、茶托、茶筒など日用生活用品のほか、最近ではキーホルダー、一輪挿しやメモスタンドなど、新しい製品も生み出されています。
ふるさと名物応援宣言
白石市は「こけしとロクロ応用品」を市町村において地域を挙げて支援を行う「ふるさと名物」とし、「ふるさと名物応援宣言」をしております。