宮城県白石市公式観光情報|一般社団法人白石市観光協会

しろいし旅カタログ

弥治郎こけし

意外と知らないこけしの世界。宮城伝統こけし弥治郎系の魅力

2021.03.01

宮城県はこけし作りが盛んな地域で、宮城のこけしは「宮城伝統こけし」と呼ばれます。白石市でも古くから、弥治郎地区でこけしが作られてきました。このページではまず、こけしの歴史や宮城伝統こけしについてご紹介した後、白石市に因んだ弥治郎系こけし・こけしスポット・こけしイベントについてお伝えしていきます。

こけしの歴史|なぜ宮城にはこけしが多いの?

「木製の人形」という意味でのこけしは、奈良時代に天皇が国の安泰を願って作ったものが最初だとされています。私たちがよく知る形のこけしが作られるようになったのは、江戸時代後期の東北の温泉街でのことです。木製品を作る職人の木地師(きじし)が、商品を作った後に残る端材で人形を作り、温泉街に湯治にくる農民たちに土産物として売ったことで広まりました。温泉街の多い宮城県では、温泉地の発展に伴ってこけし作りも盛んになり、地域によって個性豊かなこけしが生み出されたのです。当時は、こけしという名前で統一されておらず「きでこ」や「こげす」など、地域によって色々な呼び名がありました。

こけしの種類|宮城伝統こけしについて

宮城県のこけしは「宮城伝統こけし」として、1981年に国の伝統的工芸品に指定されました。

宮城伝統こけしは宮城県内の産地によって

鳴子系(なるこ)

作並系(さくなみ)

肘折系(ひじおり)

遠刈田系(とおがった)

弥治郎系(やじろう)

と系統が別れており、それぞれに特徴や魅力を有しています。

江戸時代後期から作られている伝統こけしは、全国に10の系統があります。宮城県内にはそのほぼ半数である5つの系統が存在していることから、いかに宮城がこけしにとって重要な土地か伺えるのではないでしょうか。

白石市が誇る弥治郎系こけしの魅力

宮城県南部の白石市で作られるこけしは、弥治郎系のこけしです。弥治郎こけしの発祥は、湯治で有名な鎌先温泉の近くにある弥治郎地区で農民が副業としてこけしを作り、鎌先温泉に売りに行ったことにあります。弥治郎こけしの最大の特徴は、カラフルな線を重ねたろくろ模様です。頭部に描かれたろくろ模様は、まるでこけしがお洒落なベレー帽をかぶっているようにも見えます。頭が胴より大きいことは共通していますが、胴の形はくびれがあるもの、まっすぐ寸胴なものなど様々です。弥治郎の職人たちが湯治客からのリクエストに応じていった結果、このような華やかな色合いや形のバリエーションにいき着いたと言われています。

白石市にある「弥治郎こけし村」とは?

白石駅から車で15分ほどの弥治郎地区に、弥治郎こけし村という場所があります。こけしにまつわる展示や絵付け体験が行われるメインの建物の他に、敷地内にはこけし工房もあり、村全体が弥治郎こけしの素晴らしさを伝える施設となっています。近くには鎌先温泉がありますので、温泉と合わせて弥治郎こけし村に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。 弥治郎こけし村の魅力ついては、後の項目で引き続き詳しくご紹介していきます。

弥治郎こけし村
電話番号:0224-26-3993
所在地:宮城県白石市福岡八宮字弥治郎北72-1
開村時間:4月〜10月 9:00〜17:00
     11月〜3月 9:00〜16:00
休村日:水曜

弥治郎こけし村のおすすめポイント

白石市を訪れるなら、ぜひ弥治郎こけし村にも足を運んでいただきたいです。なぜならここは、こけしを知り、体験し、手にすることができるスポットだからです。工芸品に興味のないお子さんでも楽しめる要素もあり、ご家族にもおすすめです。ここから、入館無料とは思えないほど充実した弥治郎こけし村のおすすめポイントをご紹介していきます。

展示室でこけしを深く知れる

こけし村の1階にある展示室では、こけしの展示がされています。作品が痛まないよう温度の調整や紫外線の対策がされており、まさに「こけしのための展示室」です。こけしの展示だけではなく、弥治郎こけしの歴史や制作方法を学ぶ資料も展示されているので、こけしを深く知るきっかけになります。時期によっては企画展となっていることもありますので、展示内容が気になる方は問い合わせるといいでしょう。

絵付け体験ができる

館内では、弥治郎こけしの絵付け体験もできます。絵付けは赤、黄、紫の4色と墨を使い、細い筆で行っていきます。難しいルールはないので、小さなお子さんでも夢中になって楽しめるでしょう。こけしの顔も自分で絵付けするため、それぞれに個性の出た愛着の湧くこけしになるはずです。絵付け体験は1体700円、電動ろくろを使う場合は1体1000円で、作業にかかる時間は1時間ほどです。

こけしの購入もできる

こけし村売店

展示や体験を堪能したら、本格的なこけしが欲しくなってきますよね。弥治郎こけし村の売店では、こけし工人(職人)さんが作った作品が購入できるようになっています。

こけしそのものだけではなく、キーホルダーやこけし柄の雑貨など、いつでもどこでもこけしを愛でられるグッズも手に入ります。 売店の横には喫茶スペースもあり、お茶や軽い食事をしながら一息つけるのも嬉しいポイントです。

こけし職人の技が間近で見られる

弥治郎こけし村の敷地内にはいくつかの工房があり、実際に工人さんがこけしの制作を行なっています。訪問時に工人さんが作業をしていれば、工房の中に入ってその技を間近で見ることが可能です。こけしを手にすることはできても、制作過程を間近で見る機会は少ないのでぜひ工房を訪ねてみてください。工房の工人さんが制作したこけしは、そのまま購入することもできます。

日本最大のこけしの祭典!全日本こけしコンクール

こけしに興味を持ったなら、全日本こけしコンクールに参加してみませんか?白石市で開催される全日本こけしコンクールは、全国のこけし工人たちが磨きのかかった技を競うコンクールです。各地からさまざまな伝統こけし・創作こけし・新作こけしが数百点も出展されます。1959年からほぼ毎年続いてきた中で規模が拡大し、今では全国のこけしファンが集結するイベントとなっているのです。開催期間中は「地場産品まつり」が同時開催され、白石市とその周辺の名産品が売られます。

全日本こけしコンクール
開催地:宮城県白石市鷹巣東2-1-1
運営:全日本こけしコンクール事務局(白石市市民経済部商工観光課内)
連絡先:0224-22-1321

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